そもそも過食症とはどんな病気なの?

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過食症とは

過食症とは「神経性大食症」とも呼ばれる、食欲をコントロールできなくなって短時間に異常な量の食べ物を食べてしまう症状のことを言います。摂食障害の1つで、食べ過ぎた分を吐き出してしまう「過食嘔吐」と、吐かずに過食症状のみが現れるケースがあります。

過食症では、ホルモンの分泌異常が起こっていたり、自律神経のバランスが乱れていたりするケースが多く、理性では食事への衝動を抑えられなくなる場合も少なくありません。そのため、様々な合併症の引き金となったり、激しい自己嫌悪からうつ病や自殺に繋がってしまうこともあります。

食べたら吐く「過食嘔吐」

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過食症状により自分を忘れて食べ物を詰め込んだ後、ふと我に返って「どうしてこんなに食べてしまったんだろう」と激しい自己嫌悪にかられたり、気分が落ち込んで抑うつ状態に陥ったりした際に、口に指を入れて嘔吐し過食をなかったことにしようとする症状を「過食嘔吐」と呼びます。

過食嘔吐を伴う過食症は、外見的には少し細身程度のケースが多いため、周囲から気付かれにくいのが特徴です。また、最初は吐くのが辛くても、次第に体が慣れて楽に吐けるようになるため習慣化しやすく、気付かないうちに食道炎を合併したり、胃酸により歯がボロボロになるなどの症状が現れることも少なくありません。

嘔吐ではなく下剤を使用して食べたものを排出する方もいますが、下剤を常用すると腸に薬剤耐性がついて次第に腸の機能が低下し、最悪機能停止を起こす場合もあるため注意が必要です。

吐かない過食症も

嘔吐や下痢を伴わずにひたすら過食を繰り返す過食症もあり、これは「むちゃ食い障害」と呼ばれています。短時間に大量の食べ物を食べ、その後またすぐに過食を繰り返してしまうため、肉体的にも精神的にもかなりのストレスがかかって、過食がどんどんエスカレートしていきます。

むちゃ食い障害の場合は嘔吐や下痢をしないためカロリー過多に陥りやすく、肥満が目に見えて分かるので周囲から気付かれやすいのが特徴です。むちゃ食い障害の状態が続くと脂肪肝などの疾患に繋がったり、過食を止められない自分に対する強い自己嫌悪から精神状態が不安定になることも少なくありません。

ストレスにより過食してしまう原因とは?

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初期のやけ食いは心を落ち着かせるため

過食症の初期症状は、ストレスの蓄積などによるやけ食いである場合が多いです。ですが、なぜ人はストレスが溜まるとやけ食いをしてしまうのでしょうか?

人の体には自律神経という循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整する神経が備わっています。自律神経には、体の活動時や日中に活性化する交感神経と、安静時や夜に活性化する副交感神経の2種類があります。

通常、人はストレスを受けると交感神経が優位になり、体を戦闘モードに切り替えます。ところが、ストレスが慢性的に続くとずっと交感神経優位な状態になりますから、次第に脳が休息モードである副交感神経優位な状態になりたいと望み始めるのです。

副交感神経を優位にするためには、リラックスする、深呼吸するなどの方法がありますが、最も手っ取り早いのは食べ物を食べて胃を膨らませることです。ストレス状態にある時、コンビニで食べ物をドカ買いしてしまった経験はありませんか?

このような行動は交感神経が優位な状態から解放されて副交感神経が優位な状態にし、心を落ち着かせたいと体が望んでいるために生じるものです。もちろん、ごく稀にやけ食いしてしまう程度であれば大きな問題にはなりません。ですが、その状態が慢性化すると過食症に繋がるリスクが増えてきます。

ストレスホルモンの分泌が食欲を加速させる

ストレスにより過食してしまうもう1つの原因に、「コルチゾール」というストレスホルモンの存在があります。コルチゾールは、ストレスがかかった時や低血糖時などに分泌され、ストレスの緩和や血糖値を上昇させる役割を持つホルモンです。

ただこのコルチゾールには満腹感を抑制する作用もあるため、過剰なストレスによりコルチゾールが多量に分泌されると、たくさん食べても満腹感を得られず過食に走ってしまいがちです。さらに悪いことに、コルチゾールは過食によるストレスでも分泌が促されます。

つまり、何らかのストレスによりコルチゾールが多量に分泌されて過食状態になり、その過食のストレスでさらにコルチゾールが分泌されて過食が悪化する…という悪循環に陥りやすく、自分ではコントロールできない状況へどんどん追い込まれてしまうのです。

過食嘔吐を繰り返してしまうのはドパミンの分泌が原因

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過食症の中でも過食嘔吐は、一度その症状が出てしまうと自分ではコントロールできずに繰り返してしまうことが少なくありません。それは、神経伝達物質であるドパミンの分泌が大きく関係しています。

過食嘔吐をすると、脳内ではドパミンが分泌されます。ドパミンは快感や多幸感、意欲などに関係する物質であるため、嘔吐によりドパミンが分泌されると「嘔吐は気持ち良い」と脳が学んでしまうのです。

過食嘔吐が繰り返されると、次第にそれを抑制する機能が低下し、さらにドパミンが分泌されます。そうなると、さらに嘔吐による快楽を求めて過食を行うという新たな悪循環が生まれてしまうことさえあると言われています。

ストレスによるセロトニン不足が過食症につながることも

セロトニンは脳機能を安定させる神経伝達物質の1つで、不足するとうつ病や不眠などを引き起こします。セロトニンを生み出すセロトニン神経はストレスや疲労に弱く、慢性的にストレスや疲労が蓄積する環境にいると、その分泌量がどんどん低下していきます。

ストレスが重なりセロトニン不足の状態になると、次第に精神が不安定になっていきます。するとさらにストレスを感じやすくなってセロトニンの分泌低下を招きます。精神が不安定な状態が続くと、別にお腹が空いているわけでもないのについ食べ物に手が伸びてしまうことがありますよね。これはセロトニンの分泌低下が原因です。

最初はちょっとしたことでも、そこから過食の悪循環に陥り過食症になってしまうケースは決して少なくありません。何かおかしいなと感じたら、早めに周囲の人に相談したり、ストレス環境から抜け出すための対策を考えてみるようにしてくださいね。

もしかして過食症?と感じたら…

まずはセルフチェックしてみよう

過食症でよく見られる症状をご紹介します。もし、ご自身や身の回りの方で過食症の疑いがあるようでしたら、一度チェックしてみてください。

※このチェックリストは、日常生活の中でよく見られるポイントをまとめていますので、医学的な診断基準とは異なる部分があります。

過食症チェックリスト
・話題が食べ物のことばかり
・食べる量が多いのに、全く太らない
・食後、トイレで吐かずにはいられない
・ストレスを感じると、たくさん食べたくなってしまう
・頭の中は食べ物のことばかりで、仕事や勉強などの他のことを考えられない
・食べ物が目に入ると、食べたい衝動を抑えられなくなる
・身近な人に「食べ始めたら止めてね」「食べだすと止まらないの」などと伝えている
・食後、自己嫌悪が止まらなくなり気分が落ち込む
・人に「ノー」と言えない。伝えたいことをうまく伝えられず、モヤモヤする
・「痩せているね」と言われるが、自分では「太っている」と思っている
・食後、上手に吐けないと「太る」恐怖に襲われる
・「自分には良いところがない」など自己否定してしまう
・すぐ「申し訳ない」「迷惑をかけてしまって…」などの言葉を口にしてしまう
・何事も完璧にやらないと気が済まない
・できるだけ自分を抑えて、周りの空気を読むようにしている
・1人前の適切な食事量が分からない
・自分で料理はするが、家族に食べるよう強く勧めることが多い
・食費に多額のお金がかかり、他のことに使う余裕がない

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いかがでしたでしょうか?もし自分に当てはまる症状が出ているようでしたら、1人で抱え込まずに身近な人や病院を受診して相談してみるようにしてくださいね。

あなたは当てはまる?ストレスで過食症になりやすい人の4つの特徴

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ストレス社会と言われることもある現代日本では、誰でも多かれ少なかれストレスを抱えています。ストレスは過食症を引き起こす要因の1つではありますが、ストレスを抱えている方すべてが過食症になるわけではありませんよね。

ここでは、ストレスから過食症に陥りやすい人の特徴をまとめています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

ストレスで過食症になりやすい人の特徴
①どうしても自分を好きになれない
②両親が不仲で、自分に対して批判的だった
③親が世間体を優先させる傾向にあり、自分のことは二の次だった
④自分の本心を他人に伝えられない

過食症になりやすい方は自己評価が低い傾向にあり、「自分が嫌い」「自分を好きになれない」と考えているケースが非常に多いとされています。また、自分の本心を人に伝えられない苦しさから過食症が発症することも少なくありません。

ストレスによる過食にはどう対処すべき?

1日の中でリラックスできる時間を作ろう

ストレスによる過食を止めるためには、ストレス源を無くすことがベストです。とはいえ、ストレスは仕事や学業、対人関係だけではなく気候などにも影響されますから、完璧に取り除くのは不可能ですよね。

ですから、まずは1日の中でリラックスできる時間を作るようにしてみてください。いつもシャワーで済ませてしまうのであれば入浴して一息つくのも良いですし、食後にコーヒーやお茶でひと息つくのも良いですよね。

わずかな時間でもリラックスできれば副交感神経が優位な状態を作れます。ホッとひと息つくだけで交感神経が優位な状態から解放されますから、時間に余裕が無い時こそ心を休ませる時間を作ってみてくださいね。

太陽の光に当たる

精神的に不安定になっている時、太陽の光を浴びると気持ちが安定します。これはしっかりと科学的根拠のある対処方法ですから、気分が落ち込んできたら少し外に出て日光浴をしてみてください。

外に出て太陽の光を浴びると、目の中にある網膜から太陽光を脳が認識してセロトニン神経が活性化されます。セロトニン神経が活性化すると、精神を安定化させるセロトニンの分泌が促されますので、ストレスを和らげるために効果的とされているのです。

セロトニン神経を活性化させるためには、30分程度太陽光を浴びれば十分とされています。太陽を直視してしまうと目を痛めてしまう可能性もありますので、その点には注意するようにしてくださいね。

運動をして体を動かす

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規則性のあるリズミカルな運動は、セロトニン神経を活性化させる効果があります。時間や心に余裕がある時にはジョギングやウォーキングを行ってみてください。これらの運動はセロトニン神経を活性化させるだけではなく、脂肪燃焼効果も期待できます。

また、運動して体が適度に疲労すると精神的ストレスが緩和されて、過食抑制に繋がることも少なくありません。

ダイエットはやめる

過食傾向にあるからと無理な食事制限ダイエットを行うと、そのストレスにより過食が悪化する場合があります。過食を治したいと思ったら、まずはダイエットをやめましょう。

また、精神を安定させる神経伝達物質であるセロトニンが分泌されるためには、ブドウ糖が不可欠。もし炭水化物抜きダイエットなどでブドウ糖不足の状態が続くと、脳はセロトニンを分泌させるために「炭水化物を摂取しろ」という命令を出し始めます。

すると、いつの間にかコンビニに立ち寄って菓子パンをどか買いし、家で過食に走ってしまったという状況にもなりかねないのです。「痩せたい」願望は多かれ少なかれ誰にでもあるものですが、無理なダイエットは体ばかりか心にまで悪影響を与えることがあります。

ダイエットをするのであれば、適度な運動と規則正しい生活による健康的な方法で行うようにしてくださいね。

嘔吐は極力控える

過食症を治したいと思ったら、過食嘔吐は極力控えるように努力してみてください。過食をなかったことにするために嘔吐する方は少なくありませんが、この行動はさらに過食症を悪化させますし、精神的にも身体的にも大きな負担がかかります。

加えて、嘔吐後はさらに食べ物に対する欲求が高まりやすいですから、その面からも過食を進行させかねません。食後すぐに嘔吐してしまう方は、今すぐにやめるのが一番ですが、難しい場合はできるだけ吐かないよう努力してみてください。

罪悪感を捨てる

ストレスによる過食を悪化させてしまう原因として多いのは、強すぎる罪悪感を持つこと。過食をした自分に対して過剰な罪悪感を抱くことで、さらにストレスを抱え込み過食の悪循環に陥ってしまうのです。

これは過食嘔吐する方でも同様です。もしストレスを軽減するために過食してしまったとしても、過剰に罪悪感を抱かないよう気持ちを切り替えるようにしましょう。過食をしたらパッと頭を切り替えて、次からは過食をしないよう注意する。このように心がけるだけで、精神的なストレスはかなり軽減されるはずですよ。

病院で治療を受ける

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過食症は拒食症と合わせて摂食障害として、厚生労働省により難病指定されている疾患でもあります。難病指定されるほど治すのが難しい症状であるのですから、自分の力だけではどうしようもなくなることも少なくありません。

そんな時は、周囲の信頼できる方に助けを求めたり、病院を受診して医師に相談するようにしてください。病院を受診すると、基本的にはカウンセリング療法が行われます。

ただ、嘔吐や下剤の乱用により電解質異常や栄養障害、月経不順、内臓機能低下などの合併症が生じている場合は、その症状に合わせた薬物療法や食事療法などの対処療法も合わせて行います。

過食症そのものを治療する薬は今のところ存在していませんが、身体的または精神的な合併症の症状を和らげるために薬が使用されるのはよくあります。もし気になる症状がある場合は医師にその旨をしっかりと伝えるようにしてくださいね。

いかがでしたでしょうか?「ストレスでやけ食いしてしまった」というのはよく聞く話ですが、その状態が長期間に渡って継続すると過食症という深刻な状態に陥ってしまう場合もあります。

過食症は一度その状態になると、完治させるのは難しいと言われています。自分だけで抱え込んで症状を悪化させてしまうことも少なくありませんから、過食症のセルフチェックリストなどに当てはまるものがあったら、まずは周囲の信頼できる方に相談してみてくださいね。

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