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どうして血糖値がダイエットに影響するの?
そもそも血糖値って何なの?

血糖値とは、血中のブドウ糖(グルコース)濃度のことを言います。ブドウ糖は人間が活動する上でエネルギー源となる必要不可欠のもので、食事などから摂取しなければなりません。
血糖値は通常、食後20分〜30分かけて上昇します。その後は、インシュリンというホルモンの働きにより筋肉や臓器にブドウ糖が送られ、そこでエネルギーとして消費されます。そしてこの時に消費されなかったブドウ糖は、脂肪として溜め込まれていくのです。
血糖値をコントロールしてインシュリンの分泌を抑える!
インシュリンの分泌量は、血糖値の上がり方が急激であればあるほど多くなります。また、インシュリンの過剰分泌は、脂肪分解を促すホルモンの働きを阻害してしまうことに。
つまり血糖値を急激に上げてしまうと、インシュリンにより脂肪が蓄積されやすくなるだけではなく、脂肪が消費されにくくなり、太りやすい体質になってしまう可能性も高まりるのです。
これを防ぐためには、何よりも血糖値を急激に上げないことが大切。血糖値の上昇をコントロールできれば、ダイエットにつなげることも可能です。ただし血糖値が低くなりすぎると、エネルギー不足に陥り、脳や体の働きに支障が出てきますので注意が必要です。
血糖値の急上昇を抑えてダイエットにつなげる6つのポイント
それでは、さっそく血糖値の急上昇を抑える方法を見ていきましょう。始めるにあたり準備が必要なものはありませんので、自分にできそうなものから取り組んでみてください。
①基本はゆっくりよく噛んで食べること!

早食いになると血糖値が上がりやすくなるほか、食べ過ぎにもつながりやすくなります。ほとんど噛まずに丸飲みに近い形で食事をしている人は、ゆっくりよく噛んで食べるだけでも血糖値の上昇を抑えられますよ。
満腹中枢を刺激するためには、1回の食事に最低でも15分程度かけるのがポイント。1口あたり30回を目安にしてよく噛むようにすれば、自然と15分以上かけて食事できるようになります。また家族や友人とゆっくり会話を楽しみながら食べるのも、早食い防止には有効です。
②野菜から食べて血糖値の上昇を緩やかに
野菜や海藻類などに多く含まれている食物繊維には、糖の消化吸収を抑えてくれる効果があるので、食事の最初に食べるのがオススメ。お腹にある程度食物繊維を入れておけば、そのあとに食べるメインのおかずや炭水化物からの糖の吸収を抑えられます。また野菜でお腹が膨らむので、食べ過ぎ防止にもぴったりです。
③脂質を上手に利用する
ダイエット中は脂質が含まれる食べ物を避けがち。しかし脂質は消化吸収に時間がかかるので、実は血糖値を急激に上昇させる心配はほとんどありません。血糖値の急上昇につながるのは、脂質の多い食べ物よりも糖質が多く含まれている炭水化物です。
そのため、糖質を多く含む食べ物を食べる時は脂質を一緒に食べると、血糖値の急上昇を予防できます。例えば、パンにオリーブオイルやバターをつけて食べる、かけそばではなく天ぷら蕎麦にするといった方法があります。
ただし脂質はカロリーが高いので、食べ過ぎてしまうと容易にカロリーオーバーになります。その点には注意してくださいね。
④炭水化物の摂取量を減らす
炭水化物は基本的に血糖値の急上昇を招きやすいので、血糖値ダイエットをするなら普段よりも炭水化物の量を減らすのが大切です。
特に精製された炭水化物である白米や白いパン、うどん、菓子パンなどは、より血糖値が急上昇しやすくなるので極力控えましょう。
同じ炭水化物でも全粒粉パンやライ麦パン、玄米、雑穀米、蕎麦などは血糖値が急激に上がりにくいので、オススメです。
⑤甘い食べ物や飲み物の間食は控える
甘いお菓子や清涼飲料水には、精製された砂糖がたくさん含まれており、血糖値の急上昇につながります。どうしても甘いものが食べたくなったら、食物繊維が豊富に含まれているドライフルーツにする、飲み物は極力水やお茶、炭酸水にするなどして工夫してみてくださいね。
⑥甘いものが欲しくなったら飴を舐める
どうしても食事前にお腹が空いて我慢できなくなったり、甘いものが食べたくなってしまったら、飴を1つ舐めてごまかす方法があります。飴はカロリーは比較的低カロリーで、分解が早く、すぐに血中に取り込まれるため、血糖値の安定に役立ちます。
ダイエット中に食事制限を過剰に行うと、血糖値が下がり過ぎて食事の際の食べ過ぎにつながったり、間食をする羽目になりがちですよね。あまりに甘いものを我慢し過ぎて強いストレスを感じるようになっては、ダイエットに逆効果。飴程度の小さなおやつで適度なストレスの捌け口を作れば、ダイエットの継続にもつながります。
血糖値を下げる作用のある食材を活用しよう
食べ物の中には血糖値の上がりにくい「低GI食品」や、直接的に血糖値を下げる効果が期待できるものがあります。これらの食材を効果的に活用して、ダイエットを成功させましょう。
食べ物を選ぶポイントは「GI」
GIとは「グリセミック・インデックス」の略語で、炭水化物の消化吸収のされやすさを数値化したものです。ブドウ糖そのものを摂取した時の血糖値の上昇率を100とし、それぞれの食品に含まれている炭水化物の血糖値の上昇率を示しています。
例えば、白米のGI値は82ですが、玄米なら55。特に玄米のようなGI値が55以下の食品は「低GI 食品」と呼ばれており、2003年にWHOより「低GI食品が糖尿病や肥満のリスクを低減させる」といった内容のレポートも発表されています。
身近な低GI食品の例では、玄米や全粒粉、雑穀などの穀類、水溶性食物繊維を多く含むリンゴやこんにゃく、海藻など、それから不溶性食物繊維を多く含むごぼうや寒天、大豆などが挙げられます。
これらの食品を日々の食事にうまく取り入れることで、血糖値が上がりにくい食生活を実現しやすくなりますので、ぜひ積極的に活用してみてくださいね。
血糖値を下げてくれる食材もある!
血糖値が上がりにくい低GI食品のほか、実は血糖値を直接的に下げてくれる食材もあります。ここでは代表的な血糖値低下作用を持つ食材をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
玉ねぎ

玉ねぎに多く含まれているクロムやマグネシウムなどのミネラルには、血糖値低下作用があります。また、玉ねぎには血液をサラサラにしてくれる血栓予防効果もありますので、生活習慣病が不安な方にもおすすめです。
五穀米
玄米や雑穀にはクロムや亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれていますので、血糖値低下作用が期待できます。毎日のご飯を五穀米に変えるだけでも高血糖対策になりますよ。
オクラ
オクラといえばネバネバが特徴的。実はこのネバネバの正体は、ペクチンなどの食物繊維なのです。食物繊維は前述した通り、血糖値対策に効果的ですし、亜鉛やマグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれているので、血糖値を下げたい方にはうってつけの食材となります。
バナナ
糖分が多く含まれているので食べ過ぎてはいけませんが、バナナには血糖値の急上昇を予防する食物繊維、血糖値を下げる作用を持つカリウムなどのミネラルが含まれています。ダイエット中に甘いものが欲しくなったらバナナで代用しても良いかもしれませんね。
こんな生活習慣は高血糖を招くので要注意!
慢性的な運動不足
血中のブドウ糖は筋肉でエネルギーとして消費されます。つまり、運動不足状態が続くと、筋力が低下してブドウ糖の消費量自体が減ってしまうので、高血糖になりやすくなるのです。できるだけ体を動かすようにして、しっかり筋肉を維持するようにしましょう。
偏った食事内容、不規則な食事時間

時間がない時は、つい食事をパンやおにぎりなどの炭水化物のみで済ませてしまいがちです。しかし炭水化物や甘いものばかりの食生活が続くと、高血糖になりやすくなります。また、意外と糖質含有量が高いのがお酒。毎日晩酌しているという方は少し控えるようにするのもオススメです。
食事時間が不規則にな場合は、インシュリンの分泌機能が乱れやすくなるため、高血糖のリスクが高くなると考えられています。規則正しく、栄養バランスの取れた食生活を心がけたいですね。
ストレス
万病の元と言われるストレスですが、血糖値にも大きく影響します。強いストレスがかかる状態が続くと食後に血糖値を低下させるインシュリンの分泌量が減るため、食後の血糖値が高い状態がいつまでも続きやすくなってしまいます。
インシュリンの過剰摂取も問題ですが、分泌量が低下しすぎても血糖値を上げてしまう原因になるので、注意が必要です。
肥満
肥満になると肥満細胞が肥大化し、さまざまなホルモンが分泌されるようになります。その中にはインシュリンの働きを低下させ、血糖値を下げにくくするものも。肥満は生活習慣病などの原因にもなりますから、しっかり対策していきたいですね。
遺伝
太っているわけでもないし、食生活に何も問題がなくても血糖値が高い方はいらっしゃいます。その原因の1つが遺伝です。
血糖値が上がりやすい体質や、インシュリン機能が低下しやすい体質は遺伝しますので、もし親族に糖尿病の方がいらっしゃる場合は、特に血糖値に対して注意が必要です。
高血糖を防げば病気予防にもなる!

高血糖状態が続くと、糖尿病や動脈硬化などの病気になるリスクが高まります。さらに糖尿病になると血管に負担がかかるため、神経障害や網膜症、腎症などの合併症のリスクを高めてしまうことに。
血糖値ダイエットは美容のためだけではなく、健康維持にも効果的。もし血糖値の上がりやすい生活スタイルが続いているようであれば、ここで一度生活習慣を見直してみてください。ダイエットの目的は体重を減らすことだけではなく、健康な体を手に入れることでもあるんですよ。