中年太りはいつから?3つの原因について

中年太りは、40代ごろから始まるといわれています。しかし、中には30代半ばあたりからその傾向がみられる人もいるようです。男性・女性に共通してみられる中年太りの原因がいくつかあります。
原因① 基礎代謝の低下
中年太りの原因の代表ともいえるのが、基礎代謝の低下です。基礎代謝とは、安静時のエネルギー消費量のことで、1日の総消費エネルギーの約7割を占めるといわれています。
この基礎代謝が低下すると、食べ物から吸収したエネルギーを消費する効率が低下するため、太りやすい体になってしまいます。
基礎代謝は10代以降からゆるやかに低下していますが、中年太りが始まる40代前後からは、特に大きく低下する傾向にあるとされています。
原因② 筋力の低下
筋肉は、エネルギー消費が行われる場所です。そんな筋肉が衰えれば、必然的に痩せにくい体になってしまいます。また、若いころは筋肉で引き締まっていたボディーラインが、加齢とともに緩くなってしまうといった見た目の変化も、中年太りの特徴です。
原因③ 老化による体質変化
私たちの体は、老化によって気づかないうちに変化しています。代表的なものが「酸化」や「ホルモンバランスの変化」です。
酸化とは、いわゆる体の錆びのことです。私たちの体は、酸素と食べ物が結びつくことで、エネルギーをつくり出します。そのため、体が錆びることは避けられません。
しかし、体の錆びが「動脈硬化」の原因になっていることも事実です。動脈硬化は脂質の酸化によって起こり、中年太りにも関与しています。
そのため、中年太りを解消するには、抗酸化を心がけることが大切です。ベータカロチンやポリフェノールいった抗酸化作用がある食べ物を積極的に摂りましょう。
また、脂肪燃焼を助ける「成長ホルモン」は、加齢とともに減っていきます。成長ホルモンは質の良い睡眠によって分泌されるので、寝室の環境を整えて、寝不足を防ぎましょう。
中年太り解消5つの対策~男性編~

厚生労働省の「e-ヘルスネット」によると、男性には内臓脂肪が溜まる肥満が多いとされています。内臓脂肪が多いタイプは「リンゴ型体型」と呼ばれ、こんな特徴があります。
- お腹まわりに脂肪がつきやすい
- 隠れ肥満が多い(BMIが25未満でも内臓に脂肪が蓄積されている)
- 動脈硬化や脳卒中の原因になりやすい
男性の中年太り対策では、リンゴ体型に適したダイエットを行うのがおすすめです。ここでは5つの対策をご紹介します。
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①早食いに注意しよう
仕事に追われて忙しいからと、早食いしてしまうことはありませんか?体が満腹感を得るまでには、約20分かかかるといわれており、この時間内にたくさん食べてしまうと、それだけ摂取カロリーも増えてしまいます。リンゴ体型の中年男性には、早食いの方が多い傾向です。
早食いを防ぐためには、咀嚼回数を増やしましょう。一口ごとに30~50回噛むように意識してください。よく噛むことには、こんなメリットがあるとされています。
- あごをよく動かすことによって基礎代謝がアップする
- 満腹中枢を刺激するので早く満腹感を得られる
- 唾液内に含まれる若返りホルモン「パロチン」の分泌量が増える
- 胃腸の負担を減らし、消化を助ける
②糖質の摂取を抑え、タンパク質の摂取を心がけよう
リンゴ体型の人は、糖質の代謝効率が悪い傾向にあるといわれています。そのため、間食を控えたり、主食を減らすといった工夫をして、糖質の摂取を抑えるようにしましょう。
そのぶん積極的に摂取したいのが、タンパク質です。タンパク質は、筋肉や内臓を作り上げる材料となります。お腹周りの脂肪を摂るには、運動とタンパク質摂取の両立が大切です。
ご飯を減らす代わりに脂身の少ない肉(鶏のささ身やむね肉など)を増やしたり、どうしてもおやつを食べたい場合は、高たんぱくなゼラチンを含むものを選んだり、するめを食べるといった工夫をすると良いでしょう。
③アルコール類の飲み過ぎに注意しよう
中年太りに悩む男性の中には、お付き合いでお酒を飲む機会が多い人もいることでしょう。しかしリンゴ体型の人は、アルコール類に含まれている炭水化物を吸収しやすい傾向にあるとされています。そこで、休肝日を決めたり、ゆっくりと飲酒を楽しむといった工夫をして、飲み過ぎを防ぎましょう。
④腹筋をメインに鍛えよう
先述の通り、リンゴ体型の人はお腹周りに脂肪が集中します。運動は、腹筋を鍛えることを中心に行いましょう。手軽に行える腹筋運動といえば、スクワットです。スクワット15回分には、腹筋500回分の効果があるともいわれています。
お腹の脂肪を落とすスクワット運動
方法 |
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①テーブルやキッチンカウンターの前に肩幅を開いて立ちます |
②両手でテーブルなどの縁を持ちながら、ゆっくり腰を下ろします |
(顔は正面を向き、ひざがつま先より出ないよう注意しましょう) |
③足を伸ばし切らないようにしながら上体を戻します |
体力に自信がない人でも始めやすい、両手で体を支えながらのスクワットです。15回を目安に、自分の体力に合わせて実践してみましょう。
⑤有酸素運動を始めよう
内蔵脂肪は、蓄積されやすい反面、減らしやすいというメリットもあります。そのため、直接的に脂肪を燃焼する有酸素運動が効果的です。有酸素運動には、ウォーキングのほか、ランニング、水泳、踏み台昇降などがあります。
通勤もかねて実践しやすいのは、ウォーキングです。1日10分(約1000歩)、いつもより多く歩くことから始めてみましょう。本格的にプールに通って、水泳を始めるのも良いですね。泳ぎに自信がない場合は、水中ウォーキングでも有酸素運動の効果が得られます。
中年太り解消5つの対策~女性編~

厚生労働省の「e-ヘルスネット」によると、女性には皮下脂肪が溜まる肥満が多いとされています。皮下脂肪が多いタイプは「洋ナシ型体型」と呼ばれ、こんな特徴があります。
- お尻や太ももに脂肪がつきやすい
- 生活習慣病のリスクは少ない
- 一度ついた脂肪はなかなか落とせない
女性の中年太り対策では、洋ナシ体型に適したダイエットを行うのがおすすめです。ここでは5つの対策をご紹介します。
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①体を温める食事を摂ろう
洋梨体型の人は体が冷えやすく、その結果、代謝が落ちてしまう傾向があります。食事面では、体を温めることを心がけましょう。
献立にスープや汁物を取り入れるようにしたり、普段の飲み物も、冷たいものよりホットドリンクを中心に選ぶと良いでしょう。このほか、体を温める食べ物には以下のようなものがあります。
- にんじん、ごぼうといった根菜類
- かぼちゃ、いも類
- 生姜、唐辛子、にんにく
②更年期をカバーする食べ物を摂ろう
女性の中年太りには、更年期も関係しています。更年期によって低下する女性ホルモン(エストロゲン)には、脂肪の代謝の働きがあるためです。
そこで、更年期による中年太りが気になる女性は、女性ホルモンの低下をカバーする食べ物を摂りましょう。以下のものがおすすめです。
- ビタミンEが豊富なナッツ類、豆類、緑黄色野菜
- 大豆イソフラボンが豊富な豆腐、納豆、豆乳
- 亜鉛が豊富なレバー、ごま、チーズ
③マッサージで体のめぐりを改善しよう
洋ナシ体型の人は、体のめぐりが悪く、体内に老廃物を溜め込みがちです。そこで、マッサージによって体のめぐりを改善しましょう。ここでは、おすすめのリンパマッサージをご紹介します。
簡単!リンパマッサージ
方法 |
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①両手の親指を除く4本の指で、みぞおち~へそを5回さすります |
②お腹の脂肪を下から上に30秒さすり上げます |
③へそ周りを時計回りに3回さすります |
1日数分でできるリンパマッサージです。リンパの流れが良くなると、デトックス効果が期待できます。
④セルライト対策のマッサージをしよう
老廃物を溜め込みがちな洋ナシ体型の人は、セルライトができやすい傾向です。特に太ももは、セルライトに気をつけたい場所。マッサージでケアしましょう。
太もものセルライトマッサージ
方法 |
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①開脚して床に座ったら、片足を内側に曲げます |
②曲げた側の手を、伸ばした足のつま先に触れるように体を倒し、5秒キープします |
(左右交互に3回繰り返します) |
④横向きに寝て、下側の手で頭を支えます |
⑤あいている手で、上側の足首をつかみ、かかととお尻をつけて20秒間キープします |
(左右交互に3回繰り返します) |
毎日続けることで美脚効果も期待できるマッサージです。
⑤筋トレも忘れずに行おう
男性と同じく、女性の中年太りにも有酸素運動は必要です。しかし、脂肪が落ちにくい洋ナシ体型の人は、脂肪を燃焼する筋肉を鍛える必要もあります。ここでは、ペットボトルをダンベル代わりにした、手軽な筋トレをご紹介します。
ダンベルを使った筋トレ
方法 |
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①水の入ったペットボトルを両手に持ち、足を肩幅に開いて立ちます |
②両腕を横にねじり、3秒キープしましょう |
③左右どちらも10回ずつ繰り返します |
500mlのペットボトルを使ってできる筋トレです。簡単な動作なので、運動が苦手という女性にもおすすめです。
男性・女性別の中年太り対策はいかがでしたか?いくつになっても、引き締まった体でオシャレを楽しみたいですよね。ぜひ、中年太り解消を始めましょう。