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スムージーで摂れる栄養素は?
いくら栄養のことを考えるといっても、葉野菜をそのまま食べるのに抵抗があるという人は少なくないですね。そんな葉野菜に好きなフルーツを加えてスムージーを作ると抵抗なく取れることがあります。ちょっとした工夫で身体に必要な栄養素を無理なく美味しく摂れる一石二鳥の効果がスムージーから得られます。

スムージーから取れる栄養素には、ビタミン、ミネラル、酵素、食物繊維のほか、最近話題のフォトケミカルがあります。順に見ていきましょう。
ビタミン類
スムージーから取れる栄養素のトップバッターはビタミンです。ビタミンは身体の調子を整えるために不可欠な栄養素です。ビタミンには脂溶性ビタミン(脂に溶けるもの:ビタミンA、B、Eなど)と水溶性ビタミン(水にとけるもの:ビタミンC、葉酸など)があります。水溶性ビタミンは水に溶け、尿などで体外に排出されやすいものです。そのためビタミンは毎日摂取すべき栄養素なのです。
脂溶性ビタミン・ビタミンA

ビタミンAは肌や粘膜の健康維持に役立つ栄養素です。不足すると皮膚や鼻やのどなど粘膜が乾燥したり角質化することがあります。また細菌などの感染から身体を守りにくくなります。さらに視覚順応(暗い場所に慣れ眼が見えるようになる)機能が低下することも知られています。
ビタミンAの含まれる食品
ビタミンAの含まれる代表的な食品は、モロヘイヤ、パセリ、ホウレン草、小松菜、ケール、人参、かぼちゃなどです。組み合わせを考え、美味しくて栄養価の整ったスムージーを楽しみたいですね。
脂溶性ビタミン・ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用に優れた栄養素です。活性酸素の発生や不飽和脂肪酸の酸化を抑え、心臓や脳血管性の病気の発生を防ぎます。さらに血管を守り血流促進にも役立ち、生活習慣病予防に効果があります。不足すると動脈硬化や血圧上昇から生活習慣病を招く可能性があります。
ビタミンEの含まれる食品
ビタミンEの含まれる食品には、アボカド、キウイ、ブルーベリー、バナナ、赤ピーマン、ブロッコリー、ピーナツなどがあります。栄養価が高くダイエット食品として今人気のアボカドをスムージーに取り入れてみてはいかがでしょう。
脂溶性ビタミン・ビタミンB群
ビタミンB群に含まれる代表的な栄養素として、ビタミンB1、B2、B6、B12があります。これらは糖質、脂質、タンパク質のエネルギー代謝および脂肪酸合成、エネルギー産生に関わっています。また皮膚や粘膜の正常化、神経伝達や細胞増殖などにも関係しています。

不足するとエネルギー不足を引き起こし、疲労感を感じやすくなったり集中力不足を起こします。また免疫力が低下して風邪を引きやすくなります。精神や神経の安定にも関係します。
ビタミンB群の含まれる食品
ビタミンB群の含まれる食品には、ナッツ類、キノコ類、アスパラガス、とうもろこし、ブロッコリー、バナナ、アボカド、乳製品、魚介類などがあります。バナナと牛乳を組み合わせると口当たりもやさしい美味しいスムージーになりますね。
水溶性ビタミン・ビタミンC

ビタミンCは、抗酸化作用のみならず免疫力や抗ストレス作用に優れた栄養素です。特に美肌作りに欠かせず、コラーゲン生成や日焼け予防に関係します。鉄分の吸収にも役立ち、女性には不可欠な栄養素です。
不足すると風邪などに対する免疫力が弱くなったり、肌荒れやしみなどの原因にもなります。動脈硬化や脳血管障害など生活習慣病にも関係します。ストレスの多い生活のひとは気をつけて摂取したいものですね。
ビタミンCの含まれる食品
ビタミンCの含まれる食品には、ブロッコリー、カリフラワー、レッドキャベツ、ルッコラ、ホウレン草、グアバ、アセロラ、キウイ、ネーブルオレンジ、イチゴ、柿などがあります。ビタミンCのたっぷり含まれたスムージーは美容と健康に最適ですね。野菜とフルーツを組み合わせて、美味しいスムージーの色々なレシピを試してみませんか。
水溶性ビタミン・葉酸
葉酸は細胞の正常な増殖に関係する栄養素です。妊娠中は胎児の成長のために気をつけて取りたいものです。また赤血球やヘモグロビンの合成に関わり、動脈硬化や脳卒中など生活習慣病障害の予防にも不可欠です。不足すると貧血を起こしやすくなります。さらに胎児の脳や神経の正常な発育にも関係しています。
葉酸の含まれる食品
葉酸の含まれる食品には、モロヘイヤ、芽キャベツ、ブロッコリー、ホウレン草、アボカド、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、レモン、ネーブルオレンジなどがあります。
ミネラル
ミネラルの代表的なものとして、鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウムがあります。日頃から、摂取に心がけたいものですね。
鉄
鉄分は血液を作る成分として不可欠のものです。血液成分のヘモグロビンと結びつき、体中に酸素を運ぶ重要な役割をしています。不足すると貧血を起こしやすくなります。最近の食生活ではなかなか取りにくいことから不足しがちな成分とも言われています。
鉄の含まれる食品
鉄の含まれる食品には、小松菜、パセリ、サラダ菜、レバー、魚介類(あさり、しじみほか)、海藻類
(のり、ひじきほか)があります。
カリウム
カリウムは体内環境を一定に保つために不可欠な成分です。体内の細胞の浸透圧に関係し塩分調節を行って、高血圧やむくみなどの防止に役立っています。
カリウムの含まれる食品
カリウムの含まれる食品には、パセリ、アボカド、ホウレン草、バナナ、キウイ、海藻類(昆布、わかめほか)、豆類(大豆、あずきほか)、大豆製品(豆腐、ひきわり納豆、豆乳など)があります。
カルシウム
カルシウムは骨の主成分です。積極的に取ろうとしても通常の暮らしではどうしても難しく、不足すると骨がもろくなったり折れやすいといった骨粗鬆症を起こしたりするようになります。
しかし、サプリメントによるカルシウムの過剰摂取では体内のミネラルのバランスが悪くなることがあります。疲労感を感じやすくなったり、貧血などを起こしやすくなってしまうこともあります。
カルシウムの含まれる食品
カルシウムの含まれる食品には、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)、魚介類(かたくちいわし、干しエビほか)、パセリ、小松菜などがあります。サプリメントでなく日常生活からカルシウムを摂取するために、スムージーにカルシウムを含む食品である牛乳やヨーグルトなどを積極的に入れたいものですね。
マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯を作るほか心臓や血管などが正常に働くよう機能しています。不足すると心筋梗塞や動脈硬化などの生活習慣病にもリスクが及びます。脚がつったり、こむらがえりを起こすといった症状にも関係があります。
マグネシウムの含まれる食品
マグネシウムの含まれる食品には、ナッツ類、大豆(枝豆ほか)、大豆製品(豆腐、豆乳、ひきわり納豆ほか)、ホウレン草、からし菜、オクラなどがあります。スムージーに水の代わりに豆乳を入れると栄養バランスがよくなりますね。
酵素
酵素は消化や代謝の促進のために毎日必要なものです。不足すると代謝が悪くなり消化不良を起こすなど体調面で不調が起こります。
酵素の含まれる食品
酵素の含まれる食品には、小松菜、人参、パイナップル、パパイヤ、いちじく、キウイ、プルーン、りんご、ゴーヤ、バナナなどがあります。
食物繊維

食物繊維は、腸内の環境を整え腸を刺激しお通じを促します。また胃腸内をゆっくり移動するので、過食を防ぎ、血糖値の上昇を調整します。糖尿病や肥満など生活習慣病予防にも役立っています。
食物繊維の含まれる食品
食物繊維の含まれる食品には、押し麦、ナッツ類、いも類、モロヘイヤ、アボカド、ホウレン草、干し柿、プルーンなどがあります。
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フォトケミカル
フォトケミカルを知っていますか。フォトケミカルとは植物や果物の栄養素のことで、その抗酸化力、とくに抗がん作用について注目されています。もとは植物が本来もっている紫外線や害虫から自分の身を守ろうとする天然の化学成分です。代表的なものについて見てみましょう。
カロテノイド
カロテノイドはβカロチン、リコピンなどを含み、抗酸化作用によってがん細胞の増殖を防止します。また免疫力の向上に役立つものです。
カロテノイドの含まれる食品
カロテノイドの含まれる食品には、ブロッコリー、ホウレン草、人参、トマト、ネーブルオレンジ、すいかなどがあります。
フラボノイド
フラボノイドには抗炎症作用があり腫瘍の増殖を防ぎます。また体内での解毒作用を進める酵素を生み出します。
フラボノイドの含まれる食品
フラボノイドの含まれる食品には、リンゴ、ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、玉ねぎ、大豆、大豆製品(豆腐、豆乳、ひきわり納豆ほか)、コーヒー、紅茶があります。
インドールとグルコシノレート
インドールとグルコシノレートはアブラナ科に含まれる物質で、がん関連ホルモンの産生を防ぎ、発がんや増殖を防ぐ、いわゆる発がん予防物質です。
インドールとグルコシノレートの含まれる食品
インドールとグルコシノレートの含まれる食品には、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、ケール、カリフラワーなどがあります。
イノシトール
イノシトールは、もともと動脈硬化の予防などにも効果のある抗酸化作用があり、発がんを予防し、がんの成長とその促進を防ぎます。
イノシトールの含まれる食品
イノシトールの含まれる食品には、穀類(小麦、押し麦、米ほか)、ナッツ類、大豆、大豆製品(豆腐、ひき割り納豆ほか)、ネーブルオレンジ、グレープフルーツなどがあります。
イソフラボン
イソフラボンはもともとホルモン様作用があります。更年期障害などの補助作用として役立つほか、抗酸化作用があるので、生活習慣病予防に役立ちます。がん抑制としては、腫瘍の増殖を阻止しがん関連ホルモンの産生を防ぎます。
イソフラボンの含まれる食品
イソフラボンの含まれる食品には、大豆(枝豆ほか)、大豆製品(豆腐、ひきわり納豆、油揚げ、きな粉ほか)があります。
ポリフェノール
ポリフェノールは動脈硬化や高血圧などの生活習慣病予防の抗酸化物質として有名です。いろいろな炎症やがんの産生、形成などの活動を防ぎます。
ポリフェノールの含まれる食品
ポリフェノールの含まれる食品には、全粒穀類(いわゆる皮や胚芽をとりさっていない穀類、発芽玄米、全粒小麦など)、緑茶、ブドウ、ワイン、ネーブルオレンジ、りんごなどがあります。
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飲み続けると栄養不足になるという噂は?
スムージーを飲み続けると栄養不足になる、といったことはありません。しかし口にするものですし、毎日スムージーを飲んで健康習慣としている人も多くなってきましたので、気になる噂をここで見てみます。
噛まなくていいのはいいことばかりではない

スムージーはミキサーで一気に撹拌して作るので葉野菜もフルーツもたくさんの種類を一緒に摂取することが可能です。ただスムージーを飲むことで、そこに含まれている栄養すべてを摂取できるとは限りません。一方、噛むという行為は、口腔内で摂取した食品を、唾液と共に体内で作られた酵素によって胃腸から吸収しやすい形に変えることができます。
噛むと脳にいい影響がある

噛むことは実は脳のためによい刺激となります。噛むとセロトニンという脳内の神経伝達物質が発現し、満腹中枢を刺激したりする一方で気持ちを落ち着かせてくれます。スムージーのような流動食ばかりで済ませているとセロトニンが発現しなくなることがあります。基本的に飲むスムージーでは、満腹中枢を刺激しないばかりか、精神的によくない影響もあります。
冷たいスムージーから低体温にも
スムージーは基本的に常温か冷たい状態で飲みますね。暑い夏場に氷の入ったスムージーはほてった身体をひんやりさせます。しかし、体温より低い温度のスムージーばかり飲んでいると身体が冷え下痢をすることがあります。朝食に冷えたスムージーを常食していると体温が上がりにくくなり、やがて低体温をひき起こしてしまうことにもなりかねません。
低体温のなにがよくないの
低体温になると身体の免疫力が落ちます。風邪をひきやすくなり、疲労感が抜けにくいなどの悪影響がでてきます。また身体の代謝が悪くなるので同じエネルギーを摂取しても身体にどんどん貯めこみ、ダイエットしにくい身体の状態になってしまいます。
スムージーのいいところは塩分脂肪分カット
スムージーのいいところは野菜やフルーツをまるごと全部ミキサーにかけるので、調理の手間もほとんどかからず、しかも調味料などに含まれる余分な塩分や脂肪分もカットしてくれるところです。
不足がちなビタミンやミネラルがどんどん摂れる
ビタミンやミネラルなどの栄養素は調理時に壊れてしまうものもあり普通の食事では摂りにくいことがあります。それらの栄養素が不足しているときには、スムージーを飲むと解決できます。また会食などが続いて胃腸が疲れているときにはスムージーは胃腸にあまり負担をかけずに栄養を補給することができますね。
まとめ:食事の補完としてのスムージーがおすすめ
食事は楽しいひと時です。栄養補給においては何物にも代えがたいものです。スムージーで完全に食事を置き換えてしまうということでなしに、足りない栄養素を補完したり体調にも合わせてスムージーを取りたいものですね。