目次
玄米と白米、それぞれの違いは?
玄米について

玄米とは精白されていないお米のことを指し、稲の果実でもある籾から籾殻のみを除去したもののことを言います。普通の炊飯で炊くと食べた時に消化が悪く、食感もボソボソします。玄米は精白と米糠にわけてそれぞれ販売されていて、市販で店頭に玄米が置かれることはきわめてまれだったそうです。
第二次世界大戦前から、健康維持の為に玄米食を進める人も多かったとのこと。そして近年、食感があまり好まれない玄米でもふっくらと炊ける炊飯器が普及したことで、味も改善され好まれるようになりました。現在では玄米を扱った専門店もあるので、健康だけでなく、味でも玄米を支持している人も増えてきました。
白米について

白米は、そんな玄米から更に糠と胚芽を取り除いて胚乳だけにしたもののことを言います。糠と胚芽を取り除かれることによってどんどん見た目が白くなっていきますが、それと同時にビタミンやミネラル、食物繊維などの体に良い成分も削りとられて失われてしまうのです。

玄米に比べて栄養素が乏しいものの、白米は食感も良く食べやすいということから日本人の主食として食卓に必ずと言って良いほど普及している食材です。現在では玄米も食べやすく加工できるようになったのは事実ですが、独特な香りと、少し芯が残っているようなプチプチとした食感が苦手という人も多いのです。白米の最大のメリットは食べやすさにあります。

まとめると、田んぼになっているお米は籾米→玄米→白米という加工の段階を経るわけです。玄米と白米の大きな違いと言ったら①値段②栄養素③味の3つになります。

まずは値段について。加工が簡単そうな玄米の方が安価と思われがちですが、実は白米よりも玄米の方が値段が高いのです。玄米はできるだけ栄養素を残して余分な部分を削らずに加工されています。人の口に入るものなので、安全性を維持して丁寧に異物を取り除き、なおかつ減農薬や無農薬で栽培されているので白米よりもかなりの手間をかけて栽培されて商品として並んでいます。
よって白米よりも値段が高めになってしまうというわけです。そんな玄米ですが、値段以上の効果と魅力があるのは事実です。では次の章で玄米と白米に含まれる栄養素の違いについて確認していきましょう。
玄米と白米の栄養価の違いは?
栄養価比較(100グラムあたり) | 白米 | 玄米 | 対白米比 |
---|---|---|---|
エネルギー | 356㎉ | 348㎉ | 0.98倍 |
炭水化物 | 77.1g | 71g | 0.92倍 |
食物繊維 | 0.5㎎ | 3㎎ | 2.85倍 |
タンパク質 | 6g | 10g | 1.67倍 |
脂質 | 0.9g | 2.7g | 3.00倍 |
ビタミンB1 | 0.08㎎ | 0.41㎎ | 5.13倍 |
ビタミンE | 0.2㎎ | 1.3㎎ | 6.50倍 |
鉄 | 0.8㎎ | 1.3㎎ | 6.50倍 |
マグネシウム | 23㎎ | 110㎎ | 4.78倍 |
カリウム | 115㎎ | 230㎎ | 2.00倍 |
亜鉛 | 1.4㎎ | 1.8㎎ | 1.29倍 |
ではまずはシンプルに玄米と白米の100グラム中に含まれる栄養素の違いについて見ていきましょう。カロリー数と炭水化物の量は実質大差はないです。白米よりもやや少ないものの、玄米は白米に比べて栄養価が高く、ビタミン・ミネラルも豊富に含まれていますね。同じお米でも、削られる範囲が多ければ多いほど栄養素も落ちてしまう仕組みになるのですね。
このように同じお米でも白米のように食べやすくした分だけ必要な栄養素も削がれてしまうのです。同じお米を食べるにも、出来るだけ効率的に栄養を取り入れたいですね。また、玄米には栄養素が豊富につまっているだけでなく、糖質制限ダイエットを行なっている方に嬉しい要素が沢山あるのです。
玄米ご飯の簡単な炊き方は?手間なしの美味しい作り方・レシピまとめ
合わせて読みたい「デブ卒」の記事!
糖質制限中の人も玄米を食べて大丈夫なのか?

糖質制限とは、糖質を摂取する量を抑えて体重の減量に繋げることを目的としています。糖質は主にご飯・麺類・パンなどの私たちが主食として食べているものに多く含まれているのです。その糖質量を抑えると減量に繋がる他、現在増加傾向にある糖尿病の予防にも繋がるとされています。ダイエットしている方も、一度耳にしたことのあるダイエット方法だと思われます。
ではお米である玄米も糖質制限中に食べるのは控えるべきなのでは?と思ってしまう方も多いはず。みなさんは、玄米の中でも「発芽玄米」という食材はご存じでしょうか?この発芽玄米は完全食・生きた玄米とも呼ばれており、種子であると言われています。この発芽玄米によって、糖質制限中でも嬉しい効果を発揮してくれます。
発芽玄米はその名の通り発芽します。その発芽する時に作用する酵素の働きで糖分が分解されて甘味がぐんと増えます。また、たんぱく質も分解されてうま味成分であるアミノ酸も増え、噛むほどに味わい深くなるのが特徴です。

また、発芽玄米にはGI値が低いのです。GI値が低いと食後の血糖値の上がり方が緩やかになります。そうなると、糖質がエネルギーとして使われる時間が長くなる為、余分な栄養素が脂肪として蓄積されていく率も大幅に低くなるのです。この効果は、発芽玄米と一緒に食べた食品全体に及ぶので、主食を減らすのではなく、いつも食べている主食を発芽玄米に変えるだけで良いのです。

上記で出たGI値とはなにかご説明します。GIとは、食後の血糖値の上昇値を表す言葉です。食後2時間までに血中に入る糖質の吸収度合いを示す数値のことを言います。このGI値が低い食品ほど肥満や糖尿病を予防する効果が認められています。糖質制限ダイエット成功の為にも、GI値の多い食材・低い食材をそれぞれ確認していきましょう。
糖質量の高い食材 | 含まれるGI値 |
---|---|
白米 | 88 |
食パン | 95 |
ビーフン | 88 |
もち | 85 |
うどん | 85 |
コーンフレーク | 75 |
パスタ | 65 |
じゃがいも | 90 |
にんじん | 80 |
とうもろこし | 75 |
糖質量の低い食材 | 含まれるGI値 |
---|---|
玄米 | 55 |
オートミール | 55 |
春雨 | 32 |
さつまいも | 55 |
キャベツ | 26 |
長ネギ | 28 |
大根 | 26 |
こんにゃく | 24 |
アボカド | 27 |
いちご | 29 |
このように、主食として食べられる食材がGI値の高いものの大半を占めています。糖質の多い食品は腹持ちも良いのですが、ダイエットには向かない食品なのです。そんな時に腹持ちも良く、咀嚼効果も促せる玄米が活躍します。
玄米を食べる際に気をつけることは?

普段慣れ親しんでいる白米のほうが玄米よりも食べやすいし、そのうえ玄米は消化に悪いのではないかと言われています。確かに玄米は、白米に比べてるとぼそぼそしていて硬いので、よく噛む必要があります。

よく噛むことで咀嚼を促して脳へも刺激を送ることが利点となりますが、これを怠ってしまっては、確かに消化不良の原因ともなるのです。よく噛まずに食べると、栄養を摂取する前にお腹を壊してしまい、玄米の効果が発揮できません。咀嚼作用がある反面、よく噛まないと栄養が摂取できないという点がメリットでもありデメリットでもなってしまいます。
また、玄米は白米に比べ少しクセがあります。いきなり玄米を食べることに抵抗がある時は、白米と玄米を半々に混ぜて食べる事から始めてみましょう。そこからだんだんと玄米の割合を増やしていき最終的には玄米だけにしていくと良いですね。

また、玄米には食物繊維が白米よりも多く含まれていますが、この食物繊維は不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、腸を刺激して排泄を促します。しかし、既に便秘になっている方は、腸内の水分不足が原因の方が大半を占めています。

食物繊維が腸内の水分をさらに吸収してしまうことから、便が更に硬くなり、便秘が悪化してしまうことも…そういったことを未然に防ぐ為にも、水分をこまめに摂ることをオススメします。
まとめ:玄米は糖質制限ダイエット中でも食べて大丈夫?白米との違いを解説
普段食べている白米を玄米に変えるだけで栄養素も豊富に摂取でき、糖質制限ダイエットにも効果的なのです。玄米は良く噛んで食べることで咀嚼効果がアップし、満腹感も得られる反面、良く噛まずに食べると消化不良の原因ともなります。よく噛んで食べることで玄米に含まれる栄養素もより吸収率が上がります。
糖質制限ダイエットを始めようと思っている方や栄養素をバランス良く、より効率的に摂取したい方は是非食事に玄米を取り入れてみてはいかがでしょうか。