足のむくみのタイプと原因
むくみといってもタイプがあります。自分の足のむくみはどのタイプなのかを把握することで、解決法も違ってきます。まずは、どのようなむくみのタイプがあるのかを知っておきましょう。
一過性の足のむくみ
一過性といっても色々なものがあります。誰でも起こりうる、特に問題のない原因について紹介します。
- お酒の飲み過ぎ
- 塩分の摂り過ぎ
- 長時間の立ち仕事
- 冷え性
一過性の足のむくみに関しては、放っておけば改善するものがほとんどです。老廃物が体内に溜まって足のむくみを引き起こしているので、利尿作用に効果的な飲み物を飲むことによって、改善させることができます。
病気が原因の足のむくみ
知っている人は少ないかもしれませんが、病気が原因で足がむくむケースは多いです。
むくみだから平気と思っていると、後でとんでもないことになることも考えられるので、酷いむくみやいつまでも治らないむくみが現れたら、病気のことも考えてすぐに医師に診断してもらいましょう。
足のむくみ危険度セルフチェック!
足のむくみに悩まされている人は、一過性のものなのか病気が原因によるものなのかを見極めなければなりません。そのための簡単なチェック方法を教えます。
- たくさん飲んでいるけど尿があまり出ない
- 尿の泡立ちがいつもよりも多い
- 腰のあたりが痛い
- 倦怠感がある・疲れやすい
- 急な体重の増加
- むくみが足だけではない
1〜6のうち、1つでも当てはまる人は病気を疑ったほうがいいです。腰の辺りが痛いのは腎臓異常の疑いがありますし、急な体重の増加はむくみが酷くなった可能性があります。早く改善するためにも病院での検査は必要です。
足がむくんでしまう病気にはどのようなものがある?
足のむくみと病気には密接な関係があります。むくみにはどのような危険が潜んでいるのか?むくみと腎臓の関係は?人体には欠かせない腎臓の働きや、腎臓が原因の病気について解説していきます。
腎臓の働きとは?
腎臓って聞いたことはあるけど、どんな働きをしているのか分からない人も多いはずです。腎臓は体を正常な状態に保つために大切な臓器です。腰の部分に左右2個あります。
①体内から老廃物を排出する
腎臓は血液をろ過する働きがあります。体に不要となったタンパク質や塩分などの老廃物を外へ出してくれます。腎臓の働きが悪くなると老廃物が蓄積し、体がむくみます。
②血圧を調整してくれる
腎臓は、血圧が高い時と低い時に、塩分と水分の排出量を調整し血圧を正常に保ってくれます。高血圧の人にはむくみの症状が出るケースもありますから、血圧の調整がうまくできないとむくみの原因になります。
腎臓には多くの働きがありますが、足のむくみが出る最大の原因としては、老廃物を上手に排出できていないからだといえます。
糖尿病
糖尿病が原因で足がむくんでしまうことがあります。それは、糖尿病の三大合併症でもある「糖尿病腎症」という病気です。「腎症」なので、腎臓の働きが悪くなり老廃物が排出されず、足がむくんでしまいます。
合併症が現れるということは、糖尿病がかなり進んでいるということになります。初期段階で足のむくみに気付き病院に行くことができれば、合併症を防ぐことができます。
ネフローゼ症候群
腎臓病の代表格といってもいいのが「ネフローゼ症候群」です。「ネフローゼ症候群」は、尿にタンパクが多く出てしまい、血液中のタンパクが減ってしまう結果、むくみが起こってしまう疾患です。自覚症状はほとんどなく、気付かない人が多いのも特徴です。
「ネフローゼ症候群」といっても色々な病気があり、腎生検という精密検査を行い、病気を特定していきます。
「糖尿病腎症」にしても「ネフローゼ症候群」にしても、症状が進行するとむくみが出るのは足だけではなくなります。顔や手を含めた全身に出てきます。むくみが全身に出だすと体重も一気に増加します。いきなり5キロくらい増えたら危険信号です。
いつもの足のむくみだからと安心せずに、もしかしたら病気かも・・・という考えで診断を受けてみましょう。
むくみ予防のため塩分は控えめに
塩分は足のむくみを引き起こしてしまう原因です。普段から塩分を控えた食事を心がけることで、むくみ予防にもなります。
塩分を控えるポイントとは?
- 醤油や塩を多用せず、お酢などの調味料を使う
- スープや味噌汁は飲み干さない
- インスタントラーメンの粉末スープを半分以下にする
- 味噌汁に具をたくさん入れ、汁を少なくする
- 調理する時に調味料を使わず、後から必要なだけ自分で入れる
塩分は摂り過ぎてしまうと、むくみの原因になるばかりでなく、生活習慣病などの病気の原因にもなってしまいます。普段から摂り過ぎないように工夫して調理しましょう。
利尿効果のあるカリウムはむくみに最適!

出典:rassic.jp
カリウムはむくみ予防に最適な成分です。普段から摂っている食材にも入っているものが多いので、意識して料理に取り入れましょう。
カリウムを多く含む食材 | |
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野菜 | パセリ・ほうれんそう・しそ・キャベツ |
きのこ類 | エリンギ |
海藻類 | 乾燥わかめ・乾燥こんぶ・ひじき・焼き海苔 |
果物 | 干しぶどう・干し柿・バナナ・キウイ |
豆類 | 大豆・落花生・えんどう豆・いんげん豆 |
魚介類 | あじ・さわら・煮干し・干しえび・するめ |
野菜なら野菜炒め、海苔はそのままご飯と一緒になど、簡単に食べることができるメニューならば毎日食べることができます。カリウムは失われやすい成分なので、調理法に気をつけましょう。
足のむくみが厳しいという人は予防からはじめてみましょう。それでも改善しないようであれば病院に行くなりして、医師の指示を仰ぐことも考えてください。
むくみが症状として出る厄介な病気は多いです。そのような病気にかからないためにも、食事に気をつけた生活と、むくみが出ても平気だと思わずに病気を疑うことです。