肥満になる3つの主な原因
今では食の欧米化で日本人の肥満化が深刻問題となっています。そこで今回は、体質の変化や生活環境から肥満の原因となるものを3つ、ご紹介します。
①ストレス
仕事や引っ越しなど、生活環境が変わった途端、ストレスで太ってしまったという人は少なくないと思います。ストレスが肥満の原因となる要因は、「ストレスによるホルモンの変化」にあります。私たちの体はストレスによって、以下のようなホルモンの変化を起こします。
緊張状態に対応するため、自律神経の交感神経が活発になる
自律神経には緊張状態に働く「交感神経」とリラックス時に働く「副交感神経」があります。ストレスを感じているときは交感神経が優位になり、この時は食欲が抑制されます。しかしストレスから解放された途端、反動から副交感神経が活性化し、食欲が大きく刺激されてしまうのです。
食欲促進ホルモン・コルチゾールが分泌される
現代のように食べたい時にいつでも食べられる時代と違い、昔はいつ食事ができるか分かりませんでした。そのころの名残から、人間の体は「食べられないこと」と「ストレス」がイコールで結ばれています。そのため、ストレスが溜まると「食べられなくなる危機感」と錯覚し、脂肪を蓄えようとしてしまうのです。
このメカニズムの犯人は、コルチゾールというホルモン。現代ではストレスホルモンと呼ばれていますが、実は食欲を増進させたり、脂肪を溜め込む作用もあります。
②加齢
歳を取るほど痩せにくくなった…という話、聞いたことありませんか?人間には何もしなくても消費されるカロリー(基礎代謝)がありますが、年齢とともに減少していきます。消費されるカロリーが減っても食べる量が減らなければ、体に溜め込む脂肪が増えてしまい、当然ながら肥満の原因となります。
生活習慣の変化による運動量の減少も、加齢による肥満の原因となります。
③遺伝
人間には肥満遺伝子ともいう、太りやすい遺伝子が存在することが分かっています。そのため、両親が太っていると子ども肥満になるというケースは少なからず存在します。ただし、ここで注意したいのは肥満遺伝子を持っていても誰もが太るわけではないということ。
遺伝が原因で肥満になる場合、先天的な原因(肥満遺伝子)が原因なのは全体の約3割程度とされています。大半は後天的な遺伝が原因で、肥満の家族と生活習慣や食生活が似通ってしまったために太ってしまうケースがほとんどとされています。
ポイント
つまり家族が太っていても、自分自身で改善できる可能性は大いにあるということ!
肥満の原因となる食事とは?
肥満の原因を語る上で、欠かせないのは食事との関係でしょう。具体的にどのような食事や食生活が肥満の原因となるのでしょうか。
過剰な炭水化物の摂取
「肥満=脂肪が溜まる」というと、脂肪分が多い肉類が原因なのでは、と考える人もいますが残念ながら不正解です。むしろ肉類には、燃焼系サプリでおなじみの成分・L-カルニチンも含まれており、一定の脂肪燃焼効果が期待できるとされています。
体に脂肪が溜め込まれる原因は、炭水化物の食べ過ぎです。炭水化物は体内で糖に変わり、適量であれば筋肉などを動かすエネルギー源となります。
しかし過剰に摂取すると、糖が余り、余分な糖はすべて脂肪細胞に運び込まれるので、肥満の原因となるのです。恐ろしいのは、筋肉のエネルギー源として吸収する糖分には限りがあるのに対し、脂肪細胞が吸収する糖分には限りがないということ!つまり、食べ過ぎた分だけ肥満になってしまいます。
不規則な食習慣
1日3回、規則正しく食事をとらず、不規則に食事回数を減らしたり、深夜にがっつりと食事をすると、肥満の原因になります。
忙しい人の中には食事回数を1日2回にしている人がいますが、食事回数を減らすと「次の食事はいつできるの?」と体が飢餓状態のように脂肪を溜め込みやすくなります。たとえ食事量が少なくても、体内に栄養分を取り込む時間が長くなるので、それだけ脂肪がつきやすくなるのです。
また、1日の終わりでほとんど活動しなくなる夜間に大量の食事をしてしまうと、摂取したカロリーが消費されず、肥満の原因となります。
間食の食べ過ぎ
成人だけでなく、子どもの肥満に多い原因が間食の食べ過ぎです。おやつとして食べるものの多くは油分や糖分を多く含んでいます。そのため、食事でいくら栄養やカロリーをコントロールしていても、気付いたらカロリーオーバーしていることが多いです。
さらに間食で注意したいのが、「ながら食い」の習慣!スマホやパソコンをいじりながら食べていたら、自分がどれだけ食べていたのか自覚のないままに肥満となってしまいます。
肥満が原因で病気になる?
肥満の原因を放置していると、病気を招く恐れがあります。肥満が原因で起こりうる病気の種類は実にさまざま。命にかかわる疾患もあるので注意が必要です。
肥満で起こりうる病気
肥満外来や代謝内分泌科といった、肥満専門の治療ができる診療科があるほど、肥満と病気は密接なつながりにあります。肥満が原因で起こりうる病気は、下記の通りです。
- 睡眠時無呼吸症候群
- 糖尿病
- 高血圧
- 高脂血症
- 高尿酸血症
- 脂肪肝
- 冠動脈疾患、脳血管障害
男性は年代に関係なくみられますが、女性の場合は特に閉経期以降に急増する傾向にあります。
肥満治療で病院が勧める3つのこと
病院で肥満を治療している人が医師に勧められていることは、肥満予防の上でも参考になります。ぜひ、活用してみましょう。
①ウォーキング
脂肪の燃焼やストレス解消にお勧めのウォーキング。自宅から最寄り駅の間など、生活の中で取り込める範囲で歩く習慣を身に付けましょう。
②こまめな体重測定
起床時と就寝前に体重を測り、メモしておきます。こまめに体重を測ることで肥満に対する意識が高まります。起床時の体重が昨晩の体重より減っていない場合は、著しく代謝が低下している可能性があります。
③カロリー制限
年代や運動量などで差はありますが、成人の1日当たりの摂取カロリーは1,800~2,200kcalとされています。完全に守ることはできなくても7~8割は達成するようにしましょう。また外食やコンビニ食を食べるときは必ずカロリー表記を確認するようにしてください。
ポイント
自分だけでなく周囲の人と協力し合って健康的なライフサイクルを維持することも大切。