ダイエットの壁!停滞期はなぜ起きる?
食事制限や運動で辛いながらも挑んだダイエット。減量前より少しでも痩せたら嬉しくて、もっと頑張ろうと続けていたある日、「あれ?あんなに頑張っているのに痩せない…」そんな経験はありませんか。いわゆる「停滞期」というダイエットの壁です。
停滞期が起こる原因は、人間に本来備わっている「ホメオスタシス機構」が働くからです。ホメオスタシス機構とは、外部刺激からの変化を受けても体の機能を一定に保とうとする体の防衛機能のことを言います。夏の暑い日でも、冬の寒い日でも体が体温を一定に保つことができるのは、ホメオスタシス機構のおかげです。
何ともありがたい機能が体に備わっているのですが、ホメオスタシス機構はダイエット中には停滞期として現れ、少々厄介な存在となります。ダイエット中のホメオスタシス機構は次のような働きをします。
食べ物のエネルギー吸収率を高める
ダイエット中はエネルギーを消費しようと、摂取カロリーや消費カロリーに気を遣い、食事制限や運動に励んでいますよね。ダイエット開始直後は、エネルギーも順調に消費されていき、徐々に減量していきます。
ところが、ある日を境にエネルギーが不足している状態を、体は危機的状況だと判断するようになります。食事から摂り入れるわずかなエネルギーも無駄にしないよう食べ物のエネルギー吸収率を高め、少ないエネルギーでも体の機能を保つように働くのです。
エネルギーの消費を抑える
エネルギー不足により危機的状況だと判断した体は、少しのエネルギーも無駄にしたくないため、エネルギーの消費を抑えながら活動します。そのため、基礎代謝量は低下し、運動しても消費されるエネルギーが少なくなります。
ポイント
ダイエット中の停滞期は、体に備わっているホメオスタシス機構が原因。ホメオスタシス機構によって、食べ物のエネルギー吸収率が高まり、消費エネルギーが抑えられるために停滞期の期間中は痩せることができない。
ダイエットの停滞期の始まりと期間
ダイエットにつきものの停滞期はホメオスタシス機構が働く条件が整ったときに起こり、停滞期の訪れる時期や期間には個人差があります。
ダイエットの停滞期の始まり
ホメオスタシス機構は、体がエネルギー不足で危機的状況だと判断したときに働き、停滞期を起こします。逆に言えば、危機的状況だと判断されるくらい痩せてきた証拠です。
ダイエット中にホメオスタシス機構が働き始めるのは、体重の5%減量した頃です。例えば50㎏の方なら2.5㎏ほど痩せた頃が停滞期の始まりとなります。個人差はありますが、早い方だとダイエット開始から2週間、ほとんどの方が1ヵ月程の間に停滞期が訪れるようです。
中には停滞期を感じない方もいるでしょう。これは、元々痩せている方がダイエットをしても大幅に痩せることがないため、停滞期があっても実感しにくいからです。しかし、気づかないだけでホメオスタシス機構は働き、停滞期は訪れているのです。
ダイエットの停滞期の期間
ダイエットの停滞期の期間にも個人差があり、停滞期の期間が2週間と短く済む方もいれば、2ヵ月以上続く方もいます。また、一定体重減量するたびに停滞期が訪れるパターンを繰り返す方もいます。
体が危機的状況ではないと判断するとホメオスタシス機構が働かなくなり、停滞期は終わるので再び痩せていくようになります。停滞期は体が次の痩せ期を迎えるための準備期間です。ダイエットの停滞期の期間を乗り切れば、ダイエットは成功へと着々と近づいていきます。
ポイント
ダイエットの停滞期の始まりや期間には個人差がある。停滞期は痩せてきた証拠であり、次の痩せ期を待つダイエットにおいては必要な期間なのだ。
停滞期の期間中に陥りやすいリバウンド
ダイエットの怖い落とし穴「リバウンド」。実はリバウンドが起こるのは停滞期と関係しています。停滞期の期間が長く続くあまり、一向に痩せない状態からダイエットを諦めてしまうことが大きな原因です。
停滞期の期間中にダイエットを中止すると、これまで抑えていた食欲や痩せないイライラ感が爆発し、必要以上に食べてしまうことがあります。停滞期の期間中、ダイエットを中止してもしばらくはホメオスタシス機構が働いているので、体は食べ物のエネルギーを吸収しやすく、消費エネルギーを抑えている状態です。
このときに必要以上に食べ過ぎると、体はどんどんエネルギーを吸収するのに消費エネルギーは少ないままなので、元に戻るどころか以前より太ってしまいます。これがダイエットをしても、リバウンドして余計に太ったと言われる所以です。
ポイント
停滞期の期間中にダイエットを中止しても、ホメオスタシス機構は働いている。ここで必要以上に食べ過ぎると、元に戻るどころか以前より太ってしまい、結果リバウンドとして現れる。
ダイエットの停滞期と上手に付き合う3つの方法
ダイエットの成功の前に立ちはだかる「停滞期」という大きな壁。停滞期の期間をどう乗り越えるかが、ダイエットの成功の分かれ道とも言えます。ダイエットの停滞期の期間と上手に付き合い、ダイエットを成功へと導きましょう。
①がんばった自分を褒める
体重が落ちないことにイライラして、ダイエットを中止してしまってはこれまでの努力が水の泡となってしまいます。停滞期は痩せた証拠なので、これまで頑張ってきた自分を褒めてあげましょう。いつもは我慢している食べ物を少し摂ったり、リラクゼーションに行ってみるなどして気分転換をしてみてください。
②がんばりすぎない
停滞期の期間中は痩せないことに苛立ち、どうしても無理に痩せようと頑張ってしまいがちです。これまで以上の食事制限や激しい運動は、ホメオスタシス機構がさらに活発に働いて停滞期の期間を長引かせてしまいます。ホメオスタシス機構を最小限に働かせるように、停滞期の期間中も同じことを継続し、現状維持を心がけましょう。
③次にやってくる減量期に備える
停滞期の期間を乗り越えれば、次は痩せ期がやってきます。停滞期の期間中に代謝が落ちることを理解した上で、次の痩せ期に向けて代謝を上げ、ダイエット効果を高めておきましょう。
そのためには、高タンパク低カロリーな食材を積極的に摂取することがおすすめです。他にも、ダイエット中に不足しがちなミネラルやビタミンを摂って、痩せる準備を整えておきましょう。
ポイント
停滞期が訪れたら、まずは自分を褒めてあげよう。停滞期の期間中は現状維持を心がけ、次の痩せ期に向けた準備をして停滞期の期間を乗り越えよう。停滞期を制する者はダイエットを制すると言っても過言ではない!